其の六


丸太のように太く逞しい左右の脚をそれぞれ捕獲罠の鋭い刃によって挟まれ、仁王立ちのまま
一歩も動けないリフトマン。
必殺技を放つため最後の力を振り絞り、両腕を高々と頭上に上げ全身の筋肉に力を込める。
するとリフトマンの頭上にどこからともなく光の粒子が集まり始め、それは巨大な「光のバーベル」
を形作っていった。
悪の秘密結社デスマーダーの最強怪人トカゲリアンが再び発射しようとしている「尻尾」の再生と、
リフトマンの「光のバーベル」の形成…どちらが先に必殺技に必要なエネルギーを溜めることが
出来るか、そこが勝敗の分かれ目であった。
しかしここでまたしても、卑劣な罠によってリフトマンは圧倒的に不利な状況へと陥ることになる。
トカゲリアンがリモコンのような物のスイッチを押すと、全滅させたはずのデス戦闘員達がむくむく
と起き上がり始めたのだ。
トカゲリアンの周到な策略によって、命を二つ埋め込まれていた戦闘員達が、再びリフトマンを
取り囲む………。


「ゲリゲリィッ!再生戦闘員どもよ!リフトマンのエネルギーを必殺技に集中させず、急所から放出
させてしまえぇっ!ヤツはいま身動き出来ない状態だ!遠慮はいらないゾ、徹底的に陵辱してやる
のだ!ゲリィーッ!」
トカゲリアンの命令が飛ぶと、黒尽くめのデス戦闘員達はリフトマンを取り囲む輪を狭めていった。
「くっ……むうぅっ…!」
焦りの色を隠せないリフトマン。ここで必殺技の発動を中止すれば、目の前の戦闘員達を蹴散らす
ことは出来るだろう。しかしそれでは、確実にトカゲリアンの尻尾の槍が先に発射され、その巨大な
槍でリフトマンの分厚い肉体といえども串刺しにされてしまう。やはりここは、何としても自身の必殺
技の完成を優先とし、戦闘員からの攻撃には耐え抜くしかなかった。
先程からのダメージで全身から大量の汗を噴き出し、体を覆っている青い光沢を放つリフトスーツは
汗でびしょびしょになって張り付き、その逞しい肉体を細部まで浮き彫りにしている。
頭上に突き上げた太く逞しい両腕の筋肉。闘う男の汗の匂いを発散させている腋の下は、伸縮性の
ある青いスーツが大量の汗で密着し、黒々とした腋毛が透けて見えている。
歯を食い縛った口の両端から流れ出る涎は胸のバーベルを模したシンボルマークを汚し、分厚い
大胸筋の左右に突起した乳首は、はっきりとその存在を露にしていた。
固太りの分厚い腹にも力が込められ、ウェイトリフティングの選手の様な極太のベルトがはち切れ
そうになっている。
ぱんぱんに張った大きな尻にはスーツがギュッと食い込み、汗で密着したブリーフが浮き彫りに
なっている。
その汗でぐしょぐしょになったブリーフの中に上向きに収められている太い男根は、先程の戦闘員に
よるリンチで強制的に屹立させられた状態から、やっと平常時に戻りつつあった。

そのスーツ越しにもはっきりと形がわかる男根に、一体のデス戦闘員が手を伸ばした。
「うぅっ…!」
眉間に皺を寄せ、リフトマンが呻く。黒尽くめのデス戦闘員に表情は無い。
だがこの時、リフトマンには戦闘員がニヤリと笑ったように見えた。
その戦闘員が、青いスーツの上から鷲掴みにしたリフトマンの男根をゆっくりと上下に扱き始める。
「ぐっ……やめろっ…やめろぉっ…!」
リフトマンは身動き出来ない状態ながらも何とか戦闘員の手から逃れようとするが、せいぜいその
頑丈な腰を左右に捩ることしか出来ない。
それを見ていた他のデス戦闘員達が、次々とリフトマンの汗まみれの肉体に手を出していった。
ある者は固太りの腹を擦り、ある者は分厚い大胸筋を揉みしだく。背後ではスーツが食い込んだ
大きな尻の割れ目に沿って、戦闘員が指を這わせる。
「む、うむぅっ!」
思わずリフトマンが尻に力を込め硬く閉じると、今度は左右から汗臭い腋の下に手が伸び、汗で
ぐしょぐしょになったスーツ越しに腋毛を引っ張られる。
「うぐっ…!」
一瞬、尻の力が緩んだ隙に、戦闘員の指はスーツとブリーフ越しにリフトマンの肛門付近にまで
侵入してきた。
「ぐ…がはぁっ!」
歯を食い縛り、屈辱に耐えるリフトマン。前からは、大胸筋を揉みしだいていた戦闘員が、とうに
固くなっているリフトマンの大ぶりな乳首をおもむろに摘み上げる。
「うぅっ!…うううぅぅぅううっ!うむぅぅぅううっ!!」
これにはリフトマンも、堪らずに声を上げてしまった。時には指先で軽く突付くように…時にはぎゅっ
と捻り上げ…左右の乳首への苛みは続いた。
「はぁ、はぁ…やめろ……やめん、か…はぁうっ!うおぉぉ…っ!」
感じまいと、必死に快感に耐えるリフトマン。しかしその太い男根は、またもや完全に剥け切りブリーフ
の中で反り返っていった。
女に縁の無い生活を送ってきた血気盛んな46歳の男にとって、この状況下で勃起するなという方が
無理である。憎むべきデスマーダーの戦闘員から受けている屈辱だとわかっていても、まだまだ精力
旺盛な肉体はその責めに反応してしまうのだった…。

男根を扱き上げる戦闘員の動きが早くなる。リフトマンは歯を食い縛った口元から絶えず涎を垂れ流し、
大量の汗でぐしょぐしょになった全身を襲い来る快感に震わせながら、ただひたすら耐えていた。
「ゲリゲリッ!無様だな、リフトマン!逞しい肉体だけが取り柄のキサマのような男が、手も足も出ない
とは!いい格好だゾ!ゲリゲリーッ!」
「…ぐっ…うむぅ…っ!」
トカゲリアンの嘲笑に、日焼けした厳つい顔を真っ赤にし、ゴーグルの奥の目をぎゅっと瞑って耐える
リフトマン。両腕を突き上げた頭上で形作られていた光のバーベルは、心なしかその光を失い始めて
いるようにも見えた。
「ゲリゲリゲリッ!オレ様のジャイアントテールランスは、もうじき発射体勢に入る!今度こそキサマの
分厚いどてっ腹に風穴をあけてくれるワぁっ!キサマを庇って死んだあの若僧も、とんだ無駄死にだな!
ゲリゲリーッ!ゲリゲリゲリィーッ!!」
(!………義人…っ!)
トカゲリアンの言葉に、リフトマンの脳裏に自分の為に死んでいった橋野義人の顔が浮かんだ。
その義人の亡骸は、今も自分の後方に横たわっているのだ。
(そうだったな…義人。こんなことで負けちまっちゃぁ、お前にあわせる顔が無ぇよなぁ……)

「………むううぅぅぅぅんっ!!」
リフトマンは快感に耐え固く瞑っていた目を見開くと、あらためて全身の筋肉に力を込め、その意識を
頭上に集中させた。戦闘員によっていまも扱かれ続けている男根は、もはやいつ射精してもおかしく
ないほど限界に達している。
しかしそんなことには構わず、全身を戦闘員達に嬲られながらも、リフトマンは毅然とした態度で気合
を込める。涎が溢れ出す口元を一文字に引き締め、汗と涎でびしょびしょになった無精髭の生えた
厳つい顔を上げ、頭上のバーベルに全神経を集中させた。
すると巨大な光のバーベルは、さらに大きく、さらにはっきりとその形を成していき、ついに……

パアアァァァァアアアアッ!!

高々と突き上げたリフトマンの逞しい両腕には、これまでの闘いでは見たこともないほどの、巨大な
光のバーベルが握られていた!
「ゲリッ!?な、なんだ、あのバーベルの大きさは!?今までの戦闘データには、あんな技は……!」
光のバーベルのあまりの巨大さに焦るトカゲリアンをよそに、リフトマンはおもむろに両腕を使って
大車輪のようにバーベルを回転させ始めた。
「うおおおおおぉぉぉぉぉおおおっ!!」
ブォンッ!ブォォンッ!!と音をたて、リフトマンの頭上で巨大な光のバーベルが回転する。
するとそこから光の粒子が波動となって降り注ぎ、リフトマンを取り囲んでいたデス戦闘員達はその
波動に触れると……………
音も無くボロボロと消滅していった。
戦闘員だけではない。リフトマンの丸太のように太い左右の脚を挟み込んでいた捕獲罠も、光の波動
が降り注ぐと跡形も無く消えていった。
「ゲ、ゲリリィッ!?なんだ、なんなんだ、その技はっ!?ゲリゲリッ!?」
リフトマンの怒りが生んだ、あらたな必殺技であった。
「ゲリリィッ!おのれ!おのれリフトマン!死ねえぇぇーーーっ!!」
ボシュゥーーーーッ!!
リフトマンの思わぬ反撃にうろたえるトカゲリアンから、ついに巨大な尻尾の槍が発射された。
捕獲罠から解放されたリフトマンは、しかしそこから一歩も動じず前方のトカゲリアンを見据えると、頭上
で回転させている巨大な光のバーベルを気合とともに放った!
「超重密度バーベルアタックっ!シュートおおぉぉぉぉぉおおおっ!!」

ゴオオオオオォォォォォオオオッ!!!

巨大な光のバーベルは轟音とともに回転しながら、トカゲリアンが発射した尻尾の槍めがけて飛んで
いった。それと同時に………

ドビュッ!ドビュウウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーッ!!

「う!うぅぅ…うむぅっ……!!」
戦闘員達によって射精直前まで扱き上げられていたリフトマンの男根は、バーベルアタックを放った時に
剥け切った亀頭の敏感な部分がブリーフの裏地で擦れ、それが最後の刺激となり、溜まりに溜まっていた
大量の精液を放出した。
エネルギーを使い果たし大量射精までしてしまったリフトマンは、そのまま前のめりに倒れ込んでいった…。

つづく

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