其の参


悪の秘密結社デスマーダーに誘き出された廃工場…その広場の中央で、リフトマンは逞しい左右の脚を
それぞれ捕獲罠の鋭い刃によって挟まれ、仁王立ちのまま身動きできずにいた。
鋼鉄製の刃が白いブーツを突き破り脹脛に食い込む激痛と、その刃の先端に塗られた毒の作用によって
全身から大量の汗を噴き出し、巌のような肉体を覆っている青い光沢を放ち伸縮性のあるリフトスーツは
更に体に密着し、盛り上がった筋肉や固太りの腹、汗染みで透けて見える腋毛やブリーフの中の股間部
までも浮き彫りにしていた。

「ゲリゲリリィーッ!さあ行け、デス戦闘員よ!リフトマンはもはや一歩も動くことは出来ない!憎き正義の
味方を嬲り殺しにするのだ!」
「ギギィーッ!!」
デスマーダーの最強怪人、トカゲリアンの指示が飛ぶと、全身黒尽くめのデス戦闘員達は一斉に身動き
できないリフトマンを取り囲んだ。
「く……っ!」
リフトマンは大きく開いた両脚を踏ん張り、痛みと熱に朦朧としながらも全身の筋肉に力を込める。
「ギィーッ!!」
正面にいた戦闘員の一人が、拳を振り上げながらリフトマンに突進していった。
「むっ!」
咄嗟にリフトマンは体の前で両手を交差させ、十字ブロックを作りこれを弾き返す。だが間髪を入れずに、
右わき腹に衝撃が走った。
「ぐおっ…!!」
背後から迫っていた戦闘員が、痛烈なキックを浴びせていたのだ。
リフトマンの十字ブロックが緩んだ隙を逃さず、別の戦闘員がその全体重を乗せたパンチを固太りの腹に
めり込ませた。
「うぐぅっ!……むぅっ………ぐぼおぉぉぉっ!!」
歯を食いしばっていた口から胃液を吐き、リフトマンは堪らず前のめりに倒れそうになる。
その瞬間、さらなる激痛が丸太のように太く逞しい両脚に襲った。
「ぐっ!…ぐがあああぁぁぁあああっ!!」
右脚、左脚のそれぞれを、固定された捕獲罠の鋭い刃で挟まれているため、倒れ込みそうになる事により
脚の角度が変わると、鋼鉄製の刃はリフトマンの脹脛の周りをさらに抉ることになる。
そのためリフトマンは倒れることもできず、只ひたすら両脚を踏ん張り全身の筋肉に力を込めて耐え抜く
しかなかった。

そんなリフトマンに、デス戦闘員達は容赦なく襲い掛かっていった。
上半分を青透明のゴーグルで隠した厳つい顔面を、右から左から何発も殴打する者。逞しい腕を無理矢理
左右に開かせ、大の字磔の体勢で固定させる者。汗でぐしょぐしょになり、ブリーフが透けて見える程リフト
スーツが食い込んだ尻に、キックを連発する者。固太りの腹に代わる代わるパンチをめり込ませる者……。
通常であれば、戦闘員の攻撃でリフトマンがここまでダメージを受けることはない。捕獲罠の刃に仕込まれた
トカゲリアンの毒が、リフトマンの頑強な防御能力を低下させているのである。
全身汗まみれになり、はぁはぁと大きく肩で息をしているリフトマン…。日焼けしたゴツい顎の無精髭が涎と
胃液でびしょ濡れになっている。
人間サンドバッグ……鍛え抜かれた逞しい肉体一つで数々の悪を打ち倒してきたリフトマンにとって、手も
足も出せず戦闘員達の嬲り者にされるとは、耐え難い屈辱であった。しかしゴーグルの奥に光る目はいまだ
闘志を失わず、眼光鋭く戦闘員達を睨み付けながら反撃の機会を探っていた。

その時、突如一人のデス戦闘員が、汗で密着した青いリフトスーツ越しにくっきりと盛り上がったリフトマンの
男根を鷲掴みにした。
「なっ!?なにをするっ!!…はなせっ、はなさんかぁっ!!」
リフトマンは戦闘員の手を振り払おうとするが、両脇に立っている戦闘員達によって左右の腕を大きく開か
されたまま掴まれている為、どうすることも出来ない。
「ゲリゲリーッ!いいぞいいぞ!人間の男というものは、股間の急所に刺激を与えるとそこからエネルギーを
放出するらしいからな。戦闘員よ!その肉棒を扱き上げ、リフトマンを骨抜きにするのだっ!」
「ギギィーッ!!」
満足気なトカゲリアンの命令が出ると、デス戦闘員はスーツ越しに鷲掴みにしていたリフトマンの男根を上下
に扱き始めた。
「ぐっ、…やめろぉっ!やめんかあああぁぁぁあっ!!」
リフトマンは日焼けした厳つい顔を真っ赤にしながら怒鳴った。
若い頃はウェイトリフティング部で汗を流し、その後は父親の遺した整備工場を守るため汗まみれになって
働いてきたリフトマン……森山厳介は、その女に縁のない生活の中で性的な捌け口といえば、半年に一度
あるかないかの風俗遊びと自ら行う自慰行為だけである。男盛りの46歳、まだまだ精力旺盛な厳介の性欲
がそれだけで満たされているはずもなく、大きめの亀頭を半分ほど包皮で覆われた男根は少しの刺激にも
敏感に反応し、こんな状況下においてもみるみるその硬度を増していった。

「うっ…畜生っ……畜生ぅっ!!」
全身汗まみれになって、歯を食い縛り涎を流しながら耐えるリフトマン。その男根はもはやブリーフの中で
完全に反り返り、厚めの包皮も剥けきっている。汗で体に張り付いた伸縮性のあるリフトスーツ越しに、太く、
雄々しい盛り上がりをくっきりと露にしていた。
「ゲリゲリゲリッ!どうした、リフトマン!キサマのように鍛え抜かれた逞しい肉体だけが取り柄の男にとって、
急所を守ることも出来ずにただひたすら汗と涎にまみれながら無様に耐えることしかできないとは、さぞ屈辱
だろう!どうだリフトマン!悔しいか!?ゲリゲリィーッ!」
「くっ、ちく…しょうっ…うむぅっ!」
自身の勝利を確信したトカゲリアンの罵声に、全身の筋肉を震わせながら耐えるリフトマン。
汗で張り付いたスーツ越しに太い男根を扱き上げていた戦闘員が、そのスピードをあげていく。
(うぅっ…このままでは、本当に射精させられてしまう…)
これ以上の屈辱はない……!いままで正義のために闘い、体一つで悪の野望を打ち砕いてきたリフトマン。
その誇りを守るため、人々の平和を守るために最後の力を振り絞って叫んだ。
「お前達の…お前達の、思い通りにはさせんぞおおぉぉぉおおっ!!」
リフトマンの両腕の筋肉が、今まで以上に盛り上がっていった。


つづく

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